どうもデリ男(@yutakandori)です!
ブロックチェーンや仮想通貨の初心者向けイベントをやっていると、 「専門用語やカタカナが多すぎてよくわからない」という意見をよく聞きます。
そもそもインターネットやブロックチェーンの領域は日本語では追いつけないくらい進化しているため、逆に日本語で表す方がややこしくなってしまうんです。
例えば、インターネットは日本語で「電網」、メールは「電郵」、FAXは「電写」と言われるそうです。
日本語だと全く意味がわからない。。
ITに精通している人がカタカナや専門用語を使って横文字ばかりになってしまう現象は、ある意味仕方のないことなのかもしれませんね。
なので、これらの専門用語を日本語に訳すことは諦めて、図解を使ったりしながら「用語の概念」を説明をして理解してもらおうと思います!
ちなみに今回は、初心者がブロックチェーン/仮想通貨を学ぶ上で基礎となる
- ブロックチェーン
- ビットコイン
- ハードフォーク
- マイニング
- コンセンサスアルゴリズム
- スマートコントラクト
- Wallet
- GOX(ゴックス)
について解説していきます!
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、取引履歴がオープンな台帳にブロック単位で収納されていて繋がっている仕組みのこと。
ブロックがチェーン状に繋がっているから、ブロックチェーンと覚えておいて問題ありません!
ビットコインのチェーンで例えると、取引履歴の中には
金額
時間
送金先
などのデータが収納されています。
これらが何個も繋がっているからこそ、「ブロックチェーン」という名前になっています。
ちなみに日本語では、「分散型台帳技術」とも言うらしいです。分かりにくい。
ビットコイン
ビットコインは、2009年にサトシナカモトを名乗る人物によって投稿された論文に基づいてつくられた、ブロックチェーン上の通貨です。
ちなみにサトシナカモトとは日本人みたいな名前ですが、実際誰がサトシナカモトなのか、そもそも個人なのか団体なのか、何も明らかになっていません。
今ある多くの仮想通貨の中で最も歴史が長く、一番初めにできた仮想通貨として機能しています。
非中央集権システムによる仕組みを、マイニング(後ほど解説)という報酬制度と組み合わせることによってエコシステムを成り立たせています。
今までは中央集権型でいろんなものが成り立っていました。
中央集権の問題点は、
- 権力の集中化が起きてしまう
- 一箇所のハッキングで全員が被害を受ける
- 情報の透明性が低い
などが挙げられます。
これに変わる非中央集権型という概念を実現したのがブロックチェーンで、そこで使用される通貨がビットコインなのです!
この概念はなかなか理解するのが難しいと思います。
僕もブロックチェーンのバイブルである「ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」を読んでやっと理解できました。
この本は専門知識がない人でも分かりやすくまとめられているので、オススメの一冊です!
ちなみに、前回「一夜限りの仮想通貨Bar〜今さら聞けないブロックチェーン技術〜」というイベントを主催しました。
そのときに使った資料にビットコインやブロックチェーンの概念・仕組みについてまとめているので、よかったらご覧になってください!
ハードフォーク
ハードフォークとは、仮想通貨のルールを変えるときに今までのルールを無視して、新らしいルールを新たに適用することです。
これを実行すると、今までのルールとの互換性がなくなってしまうのが特徴です。
有名なハードフォークの例としては、
- ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)
が挙げられます。
特に、イーサリアムとイーサリアムクラシックでは、The DAOというハッキング事件を受けて、対応をどうするかで揉めたためにハードフォークすることになりました。
簡単にいうと、ハッキング前の状態に戻すという案がイーサリアムで、戻してしまったら中央集権的だから反対と主張したのがイーサリアムクラシックです。
基本的にハードフォークするときは、仕様のアップデートだけでなく、コミュニティ内での思想の違いなどの要因もあるんです。
マイニング
マイニングは、仮想通貨における膨大な計算を行って正しいナンス値を見つける作業のことです。
マイニングの目的としては大きく2つあって、
- 仮想通貨の新規発行
- 取引の承認
があります。
ちょっと難しいので、図を用いて考えてみましょう!
ビットコインの場合、この「ナンス値」を一番早く見つけた人に対して、ビットコインで報酬が与えられます。
それが①の「仮想通貨の新規発行」であり、利己的なインセンティブがあることによって皆がマイニングに参加する動機付けになります。
そして、このナンス値が見つかって、その値が正しいと承認されたときに、初めてブロックチェーン状に取引履歴が記帳されます。
これが②の「取引の承認」です。
つまり、マイニングする人がいなくなってしまうとブロックチェーン上に取引履歴が記帳されないということ!
銀行などの中央集権型であれば、記帳作業やデータ検証を銀行(管理者)が行なっていますが、ブロックチェーンは分散型なので誰かがやらなければ機能しません。
そこで、マイニングによって報酬がもらえるという仕組みを利用することで、利己的な行動が利他的行動(記帳作業・データ検証)になるわけです!
この究極のメカニズムによって、現在までビットコインのブロックチェンは健全な仕組みで機能しています。
サトシナカモトさん、天才ですね本当。
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムとは、日本語に訳すとコンセンサス(=合意)アルゴリズム(=方法)です。
新しくブロックを追加するときに、どういう方法で合意を取るかということ。
例えばビットコインでは、プールフオブワークという方法を採用しています。
これは、先ほど述べたマイニングの方法で、ナンス値を見つけるためにたくさん仕事(Work)した人にインセンティブが与えられ、かつデータ検証の権利がある方式です。
プルーフ・オブ・ワークが計算量によりコインのセキュリティを保護しているのに対して、プルーフ・オブ・ステークは資産保有量がセキュリティ保護の役割を果たしています。
この辺りは仮想通貨によって方式が異なるため、詳細は以下の記事にまとめています。
今のところ完璧なコンセンサスアルゴリズムは存在せず、どの方式も一長一短です。
先ほど述べた「ハードフォークが思想や考えの違いによって起こることもある」というのは、コンセンサスアルゴリズムで何を優先するかという思想の違いも考えられます。
スマートコントラクト
スマートコントラクトの考え方自体は、意外とシンプルです。
例えば、自動販売機で考えると理解しやすいでしょう。
この例でいうと、「①利用者が必要な金額を投入」と「②特定の飲料のボタンを押す」の二つの条件を満たしたときに、ほしい飲み物が利用者に提供されます。
ここで大事なのは、利用者が飲み物を手にするまでに、人の手を介さず自動的に飲み物が提供されていること!
もう一つの例として、資料中の「出版」で考えてみましょう。
仮に僕が電子書籍を出版したとして、あなたがそれをほしいと考えたとします。
このとき、スマートコントラクトがなかったら、「代金を払う」か「電子書籍のデータを渡す」のどちらかが先に行われることになりますよね?
もしあなたが先に代金を僕に支払った場合、僕は電子書籍のデータを渡さないという選択肢もあるわけです。
逆に、僕が先に電子書籍のデータをあなたに渡した場合、あなたは代金を支払わないという選択肢があります。
こうなると、ネット上で物々交換が健全な仕組みで行われなくなってしまいます!
このようなトラブルを防ぐために、今ではamazon(中央集権型)などが仲介して信頼を担保しているのですが、これを中央を介さず自動でやってしまおうというのが、スマートコントラクトの考え方です。
そして、それを仮想通貨に実装しているのが、
- イーサリアム
- イーサリアムクラシック
- NEO
- EOS
などのコインです。
ブロックチェーンが普及していくと、スマートコントラクトを実装した仮想通貨がより一層注目されていくでしょう!
今のうちに勉強して理解しておきましょう。
Wallet (ウォレット)
Walletとは、仮想通貨を保管するためのブロックチェーン上の財布みたいなものです。
大きく分けると上図のように、
- ハードウェアウォレット
- ソフトウェアウォレット
- ウェブウォレット
- 取引所
に分けられます。
上にいくほど安全度は高まりますが、それなりに知識が必要ににあるので求められるリテラシーは高くなります!
しかし、やはり取引所に資産を預けたままにしておくのは、非常にリスクが大きいです。
先日コインチェックでNEMがハッキングされて多くの人が被害を受けましたが、あれも自分のWalletに移しておけば防げたこと。
クレジットカードや銀行なら中央(管理者)が存在するから保証してくれますが、ブロックチェーンは誰も管理していないため、完全に自己責任になります!
Walletの秘密鍵を忘れたり誰かに知られても自己責任、仮想通貨を移動するときにセルフゴックス(後ほど解説)しても自己責任です。
しっかり勉強して、自分の資産は自分で守りましょう!
GOX(ゴックス)
GOXというのは、2014年まで存在した仮想通貨取引所 マウントゴックス社(Mt.Gox)のことを表します。
2010年にビットコインの取引事業を始めて、世界有数の取引高をもつ取引所になりました。
しかし、2011年の6月に不正アクセスを受け、マウントゴックス社が扱っていた顧客のビットコインが不正に引き出されてしまい、一時的に事業を停止したのです。
被害者への払い戻しを発表し取引を再開したのですが、結局払い戻しは順調に進まず、2014年の2月に払い戻しを停止。
そしてその月に、民事再生法適用を申請して倒産しました。
つまり、
- 仮想通貨取引所が不正侵入により仮想通貨を不正に引き出されること
- またはそれにより取引や出金が停止されること。
のことを「GOXした!」と言うようになったのです。
ちなみに使用例としては
- コインチェックがGOXした
- あの取引所はGOXするかもしれない
- 出勤しようと思ったらセルフゴックスした
などがあります。
最後に
今回は、初心者がブロックチェーン/仮想通貨を学ぶ上で基礎となる専門用語について解説しました。
他にもたくさんカタカナ用語や専門用語がたくさんありますが、今回解説した用語は基礎的なものばかりなのでしっかり覚えておきましょう!
他にも初心者目線でわからない用語などがあれば、どんどん書き加えていくので、コメント等で教えていただけると嬉しいです。